ランドセルの平均相場を調査!高級と安い価格の差も紹介

来年の春には、小学校へ入学するお子さんや、お孫さんを持つ祖父母の方は、最近のランドセルっていったいいくらで買えるのか、ご存知ですか?

ご家庭によって予算はあるでしょうし、とにかく良いもの(=高いもの)を!

という方もいらっしゃることでしょう。

その為にはまず、ランドセルの平均価格を知っておいた方がいいところ。

ですので、この記事では昔と今のランドセルの平均相場を調査してみました。

高級ランドセルと安いランドセルの価格の差もご紹介いたします。

ランドセルの平均相場まとめ

さて、ここ最近のランドセルの平均価格はどのくらいなのでしょうか。

年々ランドセルの価格が上がっているのか、はたまたあまり変わらないのか・・・

気になるところですよね。

ですので、年代別でランドセルの相場をまとめてみました。

その時々の時代背景も関係してるかも・・・?

また、ランドセルの中でも1番高級なものはいったいどのくらいの価格なのか。

職人がこだわりをもって作る工房系は、なんだか高そうですが・・・。

そしてブランド物の平均価格もまとめてみましたので、ぜひご参考に。

2010年前のランドセルの平均相場

まず、2010年~その前の時代のランドセルの相場ですが、

「日本鞄協会ランドセル工業会」のホームページに分かりやすい資料がありました。

出典:日本鞄協会ランドセル工業会

ご覧のように、1992年(平成4年)から2010年(平成22年)までは35,000円前後で推移しているのが分かりますね。

平成元年、平成2年と、ランドセルの相場は年々上昇していたようですが、1992年(平成4年)からピタッとランドセルの相場が変わっていません。

なぜ、急にランドセルの平均価格が横ばいになったのでしょうか。

考えられるのは、1992年はバブル崩壊期間の真っただ中ですので、経済の不景気がランドセル業界にも影響があったと考えられますね・・・。

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※バブル崩壊期間=景気後退期は1991年3月から1993年10月までを指します。

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そして、この表みると2010年(平成22年)からランドセルの平均価格が右肩上がりですが、一体ランドセル業界に何が起こったのでしょうか?

2015年前後のランドセルの平均相場

先ほどの表の通り、2010年からランドセルの相場が右肩上がりで、2015年前後のランドセルの相場は一気に45,000円に。

なぜ急にランドセルの平均価格が上がっていったのでしょうか。

その理由は、イオンの功績が大きいといっても過言ではないと思います。

イオンが何をしたのか、それは

「A4クリアファイルがすっぽり入る」というランドセルを発売した。

と、いうことです。

そしてそれは、爆発的に支持が広がっていったそう。

ここがランドセル業界の分岐点にもなり、ランドセルのスタイルが変わっていったといえそうです。

それ以前のランドセルには、A4サイズは入るものの、クリアファイルとなれば少し大きいので、A4のクリアファイルがたわんでしまっていたそうなのです。

1919年創業のセイバンの現社長、泉貴章さんはインタビューでこんな発言も。

【泉】私が社長に就任したのが2010年です。
その年にイオン様は「A4クリアファイルがすっぽり入る」というランドセルを発売して、爆発的に支持を広げていました。

【記者】それまで、ランドセルにはA4クリアファイルは入らなかったのですか?

【泉】入るには入るのですが、A4用紙に比べてクリアファイルは少し大きいのでたわんでしまっていました。

【記者】そこに目を付けたわけですか。さすがですね……。

【泉】イオン様のマーケティング力に脱帽という感じでした。
この状況を打ち破るには当社の製品企画やマーケティング力もさることながら、ランドセルの業界構造から見直さなければならないと考えました。

そうして、ランドセルメーカーの競争が始まり、それぞれの企業の独自性を出していくように。

つまり、安いものを大量生産ではなく、ニーズの多様化に合わせていいものを。

と、いう考えになっていったんですね。

そして、ランドセルサイズの大型化による使用材料の増加
(A4サイズ→A4ファイル対応サイズ→A4フラットファイル対応サイズ)

顧客の多様化するニーズへの対応
・生地素材をより傷つきにくく、長持ちするものにしたい
・色や柄の種類を多くして欲しい(生地だけでなく背中や内貼りも)
・刺繍などの装飾パターンを増やして欲しい

カラーやデザインの増加に伴い、多品種少量生産に変化

こういった変化があり、ランドセルの平均価格が上がっていきました。

2018年〜2021年のランドセル平均相場

さて、近年のランドセルの平均価格はどのくらいなのでしょうか。

ランドセル工業会に調査によると、2018年から2020年のランドセルの平均価格は下記になっています。

  • 2018年・・・51,300円
  • 2019年・・・52,300円
  • 2020年・・・53,600円

約1,000円ずつ上がっていますね。

そして、2021年4月27日時点で最新のデータとなっている、2021年度の相場が下記になっています。

出典:日本鞄協会ランドセル工業会

2021年度の相場はなんと55,339円と、2020年度の53,600円より2,000円程度あがっています。

ということで、2015年前後の相場から、どんどんランドセルの平均価格が跳ね上がっていることが分かりました。

ランドセルの価格上昇の理由は先ほどご紹介したとおりなのですが、近年では更に、ランドセル自体のレベルが上がってきています。

・牛革やコードバン(馬の革)など高価な天然の皮を使用
・国産品・職人の手縫いで丈夫
・使いやすさや通気性なども一級品
・高いデザイン性
・オーダーメイドで作れるものもある(他の子との差別化)
・ブランドの高級イメージ戦略

などといったことも、当てはまります。

さらに、近年の少子化に伴い、昔と比べて子供一人にかけられる金額が上がっているというのも要因として考えられますよね。

その他に、一生に一度のランドセルなんだからと、祖父母が奮発して買ってくれるケースも多いようです。

近年ではランドセルの購入時期も早まっており、ランドセルに対する考え方も変わってきてるような感じがしますね。

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上の記事にも載せていますが、ランドセルのカタログも早いものだと2年前には出回っているものなどもあるので、欲しいランドセルがあるなら早めに動く方がよさそうです。

 

高級なランドセルの価格と安い価格

さて、ランドセルの年代別平均価格をご紹介しましたが、次に気になるのは1番高い・安いランドセルでいくらなのかというところ。

近年の最高級ランドセル

≪ミキハウス コードバン≫ 価格:220,000円(税込)

「革の宝石」とよばれる希少性の高いコードバンを使用している、有名な子ども服のブランド「ミキハウス」ブランドの最高級ランドセルです。

≪三越伊勢丹 エンダースキーマ ヌメ革≫ 価格:242,000円(税込)

日本のレザーシューズブランド「エンダースキーマ」のベジタブルタンニンレザーで作られたランドセル。

本体やかぶせ部分すべてに本皮を使用したフルレザーで、革本来の風合いを最大限に活かした最高級の一品となっています。

≪鞄工房山本 夢こうろ染≫ 通常価格:190,000円(税込)

工房系ランドセルとして人気の山本鞄の最高級ランドセル

日本古来から伝わる黄櫨染をアレンジし、「夢こうろ染」として現代に蘇らせた商品で、最高級のコードバンを使用した格調高いランドセルです。

一般的なブランドの最高級ランドセル

≪鞄工房山本 オールコードバン≫ 通常価格:120,000円(税込)

革の宝石と呼ばれる美しく貴重なコードバンを馬2頭分も贅沢に使用した「オールコードバン」。

大マチのような大きなパーツも底で革をつなぐことなく、希少な一枚物の大きなコードバンを使用。

何年経っても滑らかで、いつまでもその気品と風格を保ちつづける至高のランドセルです。

≪メゾピアノ シュペリュールロゼ≫ 通常価格:133,200円(税込)

人気子供服ブランド「メゾピアノ」の牛革ランドセルで、かぶせには豪華にバラが型押しされたデザインはとてもエレガントです。

フロントポケット部分のバラの型押しや、ゴールドのブランドロゴなど細部にまでこだわりが感じられるデザインになっています。

≪セイバン ホマレアンティークコードバン≫ 通常価格 93,500円(税込)

高級革コードバンをかぶせに使用し、天使のはねを採用したことで、高級感と背負いやすさを両立した最上級のランドセルです。

コードバン独特の艶が美しく、高級感が漂います。

また、金属のパーツはすべてアンティークゴールドで統一し、より高級感のあるデザインとなっています。

低価格なランドセル

≪パンダファミリー オリジナルランドセル≫ 通常価格:10,980円(税込)

こちらのパンダファミリーのランドセルはなんと破格の10,980円。

Amazonやヤフーショッピングでのみ販売で、実物を見たりということは出来きず、かなりの低価格なので品切れの場合も多いのでこまめにチェックしたほうがいいです。

≪トップバリュ かるすぽ はなまるランドセル24≫ 通常価格:30,800円(税込)

さすがトップバリュというところでしょうか。

近年で3万円台のランドセルを買えるのはとても家計に大助かりですよね。

「商品開発から物流、販売まで自社プロデュース。
‟基本品質のすべてを見直し、本当によいものを、お求めやすい価格に”」

というのがコンセプトだそうです。

≪ニトリ Spirits わんぱく組≫ 通常価格:19,900円(税込)

出ました、トップバリュよりさらにお安いのがニトリです。

なんと2万円をきりました・・・。

世のお母さんたちは、「高いものを買ってもどうせ乱暴に扱われる」という意見もあり、ニトリのような低価格ランドセルも需要が多くあるようです。

ブランド物の平均価格

ランドセルは、大きく分けると次のような価格帯に分かれています。

1万円台~・・・小売店での販売はほぼなく、インターネットのアウトレット品など
3万円台~・・・イオンやニトリなどのプライベートブランド
5万円台~・・・大手メーカーの標準モデル、工房系メーカー、百貨店コラボメーカー
8万円台~・・・人気ブランドや、素材がコードバンなどの高級なもの

CMでもお馴染みの「フィットちゃん」「天使のはね」、工房系で人気の「鞄工房山本」さんのランドセルの平均価格帯は5万円前後となっています。

 

まとめ

2010年~その前のランドセルの相場・・・35,000円前後

2015年前後のランドセルの相場・・・45,000円

2021年のランドセルの相場・・・55,339円

こうして見比べてみると、見事に年々ランドセルの平均価格が上がっているのが分かります。

その背景には、

・バブル崩壊
・顧客の多様化するニーズへの対応
・少子化に伴い子供一人にかけられる金額が上がっている

などがありました。

外食業界では、年々低価格指向(コストパフォーマンス重視)なのと比べてランドセル業界はめきめきと価格を上げています。

成人式や結婚式と同じように、‟一生に一度だから”という両親や祖父母の気持ちも昔と比べて高まっているように感じます。

そして、最高級ランドセルと、低価格で手に届きやすいランドセルもご紹介しましたが、子供に対する気持ちは

「値段の高さ=愛情の大きさ」

ではないので、それぞれのご家庭に合ったランドセルをご購入していただければと思います。